引き出しを開けると、ペンと輪ゴムと、なぜかボタンが転がっている。
洗面所の棚には、化粧品とヘアゴムと、いつ買ったか思い出せない試供品。
キッチンの引き出しの中で、ふきんと割り箸と、輪ゴムが絡み合っている。
家の中の「小物」と呼ばれるものたちは、油断するとあっという間にあちこちで散らばっていきます。
ひとつひとつは小さくても、積み重なると、引き出しを開けるたびに気が重くなる。
そんな日々の小さなストレスを和らげてくれるのが、100均で買える収納グッズです。
ダイソー・セリア・キャンドゥなどには、暮らしのあらゆる場所で使える小物収納のアイテムが、驚くほど豊富に並んでいます。価格を抑えながら、ちょこちょこと試せるのが、100均ならではの良さです。
今日は、家全体の小物収納に役立つ、7つの工夫をご紹介します。
すべてを一度に取り入れる必要はありません。
ご自身の暮らしの中で、いちばん気になる場所から、ひとつずつ試してみてください。
1. 仕切りトレーで、引き出しの中に「区画」をつくる
引き出しの中が散らかってしまういちばんの理由は、「物の住所が決まっていないこと」です。
ペンの隣に輪ゴム、その横に小さなメモ帳、奥にはなぜか電池。
仕切りのない引き出しは、開けるたびに中身が動いてしまい、物の位置を覚えていられません。
そんなときに役立つのが、仕切りトレーです。
100均には、サイズも形もさまざまな仕切りトレーが並んでいます。
組み合わせて使える小さなトレーから、引き出しにすっきり収まる大判のものまで、選択肢は豊富です。
選ぶときの目安は、引き出しの内寸を測ってから買い物に行くこと。
家にあるメジャーで、引き出しの幅・奥行き・深さを軽くメモしておくだけで、ぴったり収まるサイズを選びやすくなります。
トレーで区画を作ったら、入れるものをひとつずつ決めていきます。
ペンはここ、ハサミはここ、付箋はここ。
住所が決まると、使ったあとに戻すのも自然になり、引き出しは少しずつ「散らからない場所」へと変わっていきます。
仕切りトレーは、収納の基本中の基本。
最初の一歩として、もっとも変化を実感しやすいアイテムです。
特にキッチンの引き出しは、仕切りの効果を実感しやすい場所です。
キッチンの引き出し収納に絞った工夫は「キッチンの引き出し収納、 無印で叶える整理術」でも紹介しています。
2. ファイルボックスで、平置きをやめて「立てる」

棚や引き出しの中で、物が雑然と見えてしまう原因のひとつが、「平置き」です。
書類や薄いポーチ、布類などを重ねて置いてしまうと、下のものが見えなくなり、いつの間にか「上のものしか使わない場所」になってしまいます。
そこで取り入れたいのが、ファイルボックスを使った「立てる収納」です。
100均には、A4サイズが収まる定番のファイルボックスから、ハーフサイズ、横置き型まで、さまざまなタイプが並んでいます。書類だけでなく、エコバッグ・ストック類・キッチンの調味料ボトルなど、あらゆる「立てたいもの」に応用できます。
選ぶときの目安は、家の中で同じシリーズ・同じ色で揃えることです。
色や形がバラバラだと、それだけで雑多に見えてしまいます。
白・グレー・ベージュなど、家全体のトーンに馴染む色をひとつ選んで、棚や引き出しの中で揃える。
それだけで、収納全体がぐっと整って見えてきます。
「立てる」発想は、引き出しだけでなく、シンク下や洗面台の下、クローゼットの中など、家のあらゆる場所で活かせます。
平置きを少しずつ減らしていくと、収納の見え方そのものが変わっていきます。
3. ワイヤーネット+フックで、壁とデッドスペースを使う
引き出しや棚がいっぱいになってきたら、視線を「壁」に移してみてください。
キッチンの調理スペースの脇、洗面所の鏡の横、デスクの足元。
家の中には、意外と使われていない壁面がたくさんあります。
そこに役立つのが、ワイヤーネット+フックの組み合わせです。
100均には、サイズ違いのワイヤーネットと、それに引っ掛けられるS字フック・専用のかごやポケットが豊富に揃っています。突っ張り棒や穴の目立たないピンと組み合わせれば、賃貸でも壁を傷つけずに設置することも可能です。
選ぶときは、ネットの目の大きさとフックのサイズが合っているかを確認すること。
メーカーが違うと、フックがネットに引っかからないことがあります。
同じシリーズ・同じ店で揃えるのが安心です。
壁面に吊り下げるものは、よく使うものを中心に。
キッチンならお玉やトング、洗面所ならドライヤーや小さなボトル、デスクなら文具入れ。
「使う場所のすぐそば」に物を置けるようになると、暮らしの動線がぐっとなめらかになります。
壁は、収納の最後のフロンティア。
活用しはじめると、家の使いやすさが一段階変わります。
4. クリアケースで、中身を見せて、迷いを減らす
「あれ、どこにしまったっけ」。
そんなふうに探し物が増えてしまうのは、収納の中身が見えていないからかもしれません。
不透明な箱にしまうと、見た目はすっきりしますが、中身を覚えていないと「結局使わない物」になってしまうことがあります。
そんなときに役立つのが、クリアケースです。
100均には、引き出し型のクリアケース、スタッキングできるボックス型、フタ付きの密閉タイプなど、さまざまなクリア収納が並んでいます。
中身が見えることのメリットは、ふたつあります。
ひとつは、探し物の時間が減ること。 もうひとつは、「持っていることを忘れる」現象が減ることです。
化粧品の試供品、文具のストック、お菓子の保存容器など、「気づいたら期限が切れていた」というものほど、クリアケースに入れて視界に置いておくと、自然と消費が回るようになります。
すべてを見せる収納にする必要はありません。
「よく使うものはクリア、見せたくないものは不透明」と使い分けるだけで、収納のメリハリが生まれます。
5. マグネットケースで、冷蔵庫横や洗濯機の側面を活かす
家の中には、「使えそうなのに、使われていない場所」がいくつもあります。
冷蔵庫の側面、洗濯機の横、玄関のスチール扉、キッチンのレンジフード。
これらはすべて、マグネットがくっつく場所です。
けれど、何も貼っていない方が、案外多いのではないでしょうか。
そんな場所に役立つのが、マグネットケースです。
100均には、マグネット付きの小さなボックス、フック、ペン立て、ティッシュケースまで、さまざまな種類が並んでいます。貼り付けるだけで設置でき、賃貸でも穴を開けずに使えるのが嬉しいところです。
選ぶときの目安は、マグネットの強度です。
中身を入れて使うため、磁力が弱いとずり落ちてしまうことがあります。
手に取った時にずっしりと重みのあるタイプを選ぶか、商品説明に「強力マグネット」と明記されているものを選ぶと安心です。
冷蔵庫の側面には、よく使うキッチンメモやキッチンばさみ。
洗濯機の側面には、洗濯ネットや洗剤の小分け容器。 玄関のスチール扉には、印鑑や鍵をひとまとめに。
普段は気にも留めない場所が、ちょっとした収納場所として息を吹き返します。
家全体を見渡して「ここ、使えるかも」という場所を探してみると、収納の可能性がぐっと広がります。
6. ジッパー袋で、細かいものを「まとめて、迷子にしない」
家の中で行方不明になりやすいのが、本当に小さなもの。
予備の電池、ヘアアクセサリー、薬の袋、家電の付属品、絆創膏のストック。
こうした細かなものを、引き出しの中にそのまま入れてしまうと、いつの間にか奥に滑り込んで、必要なときに見つからなくなってしまいます。
そこで役立つのが、ジッパー袋(チャック付き保存袋)です。
100均には、サイズも厚みも豊富なジッパー袋が並んでいます。
透明なタイプから、フロスト加工のもの、マチ付きで自立するタイプまで、用途に合わせて選べます。
ジッパー袋でまとめると、いいことが3つあります。
ひとつは、中身がひと目でわかること。
ふたつめは、他のものに紛れ込まないこと。
みっつめは、移動・保管が楽になること。
「電池はこの袋」「薬はこの袋」と決めて、引き出しの一角にまとめて立てておく。
それだけで、細かなものたちが「迷子にならない場所」を持つようになります。
ちょっとしたことですが、暮らしのストレスが目に見えて減っていく工夫です。
7. ラベリングで、定位置を「見える化」して続ける

ここまで6つの収納の工夫をご紹介してきました。
仕切りトレー、ファイルボックス、ワイヤーネット、クリアケース、マグネットケース、ジッパー袋。
道具を揃えて、物の住所を決めても、続かなければ意味がありません。
そして、続けるためのいちばんの工夫が、ラベリングです。
ラベリングは、難しい技術はいりません。
100均には、シンプルな白いラベルシール、マスキングテープ、ラベルライターなど、ラベル作りに役立つアイテムがひと通り揃っています。
選ぶときに意識したいのは、派手すぎないデザインを選ぶこと。
カラフルなシールは見つけやすい一方で、家の景色の中で目立ちすぎることがあります。
白いラベル+黒の手書き文字、またはマスキングテープに鉛筆書きくらいのシンプルさが、暮らしになじみます。
ラベルを貼るのは、自分のためだけではありません。
家族にも「これはここに戻す」という場所が見えるようになり、片付けの負担が自然と分散されていきます。
ラベリングは、いちばん最後のひと手間ですが、いちばん長く効いてくる工夫です。
おわりに
100均で叶える、小物収納の工夫を7つご紹介してきました。
仕切りトレー、ファイルボックス、ワイヤーネット、クリアケース、マグネットケース、ジッパー袋、ラベリング。
すべてを揃えても、合計1,000円前後。 道具に大きな投資をしなくても、暮らしはずいぶんと変わっていきます。
整える、というのは、特別なスキルではありません。
物の住所を決めて、見える場所に置いて、戻しやすくする。
その繰り返しのなかで、家の中は少しずつ落ち着いていきます。
完璧に整える必要はありません。
今日のお話のなかで、ひとつでも「これなら試してみたい」と思えるものがあれば、お買い物のついでに、まずひとつかごに入れてみてください。
100円から始める小さな一歩が、暮らしのあちこちに、静かな心地よさを運んでくれるはずです。
100均のアイテムは、手軽に始められるのが魅力です。
一方で、長く使う ものや統一感を出したいものは、無印良品の収納アイテムも頼りになります。
場所別のアイテム選びは「無印良品で揃える、暮らしの収納アイテム 完全ガイド」にまとめています。
